Alignwork beginner course -解剖生理学-

Alignwork beginner course

 

Alignwork beginner courseでは、主にAlignworkの原理原則や体の変化がなぜ起こるのかを解剖生理学の視点から学んでいきます。人の体に関わる分野の方ならどなたでも役立つ内容となっており、自分の体の変化や運動で体の中がどう反応しているかを講義と体験を通して学んでいきます。ピラティスインストラクター・ヨガインストラクター・トレーナーなどの運動指導者、看護師・理学療法士・作業療法士などの医療従事者の方にとって知識や経験を感覚を通して体に落とし込む内容になっています。

 


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Alignwork 1day seminarではピラティスや筋膜リリースを体験してもらいました。(まだ知らない方はこちらから)この講座では、Alignworkでどうして体にすぐに変化が出るのかを説明していきたいと思います。そのためにはどうしても解剖生理学の知識が必要になってきます。

 

解剖生理学を知る  

体の基本を語るのに必要な知識は解剖生理学です。解剖生理と聞いて何やら小難しい思いましたか?そういう勉強は医療職の人が学ぶものだと考えている方も実際多いのですが、私から言えば女性だろうが男性だろうがお年寄り、子供だろうが知らないといけない知識です。職業も関係ありません。なぜなら基本だからです。あなたの周りも日常生活では色々な分野でこの知識が使われています。またあなたが解剖生理学を学ぶことで一番得られるものは自信です。解剖生理学を理解することで、今ある技術を応用できたり、1段階上の効果を出せるようになります。クライアントや患者さんに説明するときにモヤモヤした経験はありませんか?また知らない間に危険なことをしている可能性もあります。あなたもクライアントも安心してレッスンを行えるようになれば皆がハッピーですよね。

 

解剖生理学を学ぶメリット

・同じ動きでも目的を変えてできる

 →例えば、鍛えたいのか、腹部の柔軟性を出したいのか?呼吸を促したいのか?を同じ動きでも目的を変えることで効果を変えることができます。

・症状から適切なプログラムが立てられる

 →例えば、むくみがある人に対してどんなアプローチが考えられるか?  

 →例えば、痩せたい人にどんなプログラムが提供できるか?

・今の技術で効果を高められる

 →視点が変わるだけで今ある技術のまま効果を高められる

・解剖生理学は基礎・基本の学問なので、応用力が身につく

 →他の勉強会に出たりセミナーに参加してアプローチ方法を覚えなくても自分でメニューを考えられるようになります。新しい方法を生み出せるようになります。

・自分ができる範囲を知ることができる  

 →リスク管理になり、自分ができるかどうかの判断がつく。クライアントと自分のお互いの安全につながる

 

解剖生理学

 

分類

どのような分類でもいいのですが、私は機能に分けて考えています。それが、1呼吸、2循環、3消化、4筋肉、5骨格、6運動神経・感覚神経、7脳・脊髄、8腎臓・膀胱、9内分泌、10免疫、11自律神経です。これらの機能は一つ一つが独立しているようで密接につながり、お互いの機能を補完または高め合っています。セラピスト、インストラクターやトレーナーの多くは体を鍛えると考えると筋肉のことに目が行きがちですが、実は体を動かすことで色々な場所に影響を及ぼしますし、筋肉一つを鍛えるにしても解剖生理学を知っていることで効果的に鍛えることができます。

 

ホメオスタシス  

私たちはいきなり北極や砂漠の地に連れて行かれてもある程度生き延びることができます。そのような過酷な環境であっても動けるのはなぜでしょうか。その答えは、ホメオスタシスにあります。 ホメオスタシスとは、小難しく話すと、「生体の内部や外部の環境因子の変化に関わらず、生体の状態が一定保たれるという性質、あるいはその状態のこと」を表します。簡単に表現すると、綱渡りをする人です。綱を渡っている人は、倒れまいとして常に揺れながら(体のいたるところを使いながら)バランスをとっています。人の体も同じように、病気や体調を崩さないように常に周りの環境に合わせながら体の調子を整えていてくれます。 人の体を見ていくにあたって、ホメオスタシスは一番大切な言葉です。それは人が生きているためにもっとも大事な機能だからです。色々なエクササイズの目的は極端な言い方をすれば、このホメオスタシスを整えるといってもいいでしょう。例えば、風邪を引いた時に熱が出たとします。これは体の免疫反応として、体の中に入っている異物(この場合は病原菌)を退治しようとして体温をあげている状態です。詳しくは免疫系の話の時にしますが、ホメオスタシスが働き、体を正常に戻そうとするため体温をあげるようにできています。また咳が出るのも鼻水が出るのも体が寒くて震えるのもホメオスタシスが働いている証拠です。このおかげで大抵は数日で元の状態に戻ります。つまりホメオスタシスとは健康体にあり続けることとも言えます。

 

病気とは  

病気の状態とは、ホメオスタシスを逸脱した状態と言えます。風邪をこじらせて肺炎になることもありますよね。これはホメオスタシスが破綻してしまい、自力では回復できない状態です。この状態は二つの谷に例えることができます。病気の谷と健康の谷です。健康の谷を深めていくことで健康状態が揺らいでも病気の谷に行くことはありません。しかし、一度病気の谷に落ちてしまうと、もし病気の谷が深ければなかなか健康の谷に戻って来れません。ホメオスタシスも一度破綻すると自分では回復できません。こういうときには医者にかかって注射や薬を飲む必要があります。  言い方を変えれば、ホメオスタシスが働いているうちは、私たちセラピスト、インストラクターやトレーナーの安全範囲と言えます。また私たちはエクササイズによってクライアントが極力健康な状態を保つように手助けしていく必要があります。

 

1 呼吸

呼吸はどの分野でも一番最初に語られることが多いです。武道でも芸事でも医療でもです。これは人の体にとって一番大事だからだと思っています。もちろんAlignworkでも重要な要素を占めます。この章では、呼吸が体にどう影響するのか学んでいきます。

 

■呼吸器の構造  

呼吸器は口腔、咽頭、喉頭、気管、肺を含みます。また肺を包む肋骨や筋肉も呼吸器の一部です。

 

・気道  

空気の通り道を気道といいます。気道は鼻の孔から始まります。奥は鼻腔という広い空間となっておりさらに後には咽頭があります。その後、食道と分かれて前下方の喉頭へとつながります。鼻腔は中央に鼻中隔という仕切りがあり左右に分かれています。鼻腔の左右両側の壁にはタラコの様なでっぱりが三段付いています。この凸凹のおかげで鼻腔の表面積は大きくなっています。鼻周辺の顔や頭の骨の中には空洞があります。これらの空洞は副鼻腔と言って、空洞の出口は鼻腔に通じています。 ここで空気は、多くの毛細血管によって温かく湿った広い粘膜に触れ、暖まり湿気を与えられ、冷たく乾いた悪い空気が肺にいかないように出来ているのです。つまり鼻は加湿空気清浄機とエアコンを兼ねているのです。口呼吸と鼻呼吸と言われるように呼吸は口からでも鼻からでもできますが、近年では口呼吸の子供はアレルギーが多いことと舌の位置が下がっていることがわかっています。

・気管  

気管は前面が軟骨に覆われて、第4、5胸椎の高さで左右の気管支に分かれて肺に入ると、木の枝のようにさらに細かく分かれていき、最後は軟骨も消えて小さな袋になって終わります。左肺は右肺に比べて面積が狭く、また気管枝も左側と右側では太さと角度が異なります。主気管支の延長線上からなす角度が右は25°、左は45°となります。

・肺  

右の肺はさらに3分割でき、左の肺は2分割できます 。姿勢によっても肺に入る呼吸の量は異なります。 構造学的に上部の肺は座っているよりも寝ている方が空気が入り易いですが、寝ていると下部の肺は内臓に圧迫されやすくなり、空気が入りにくくなります。エクササイズで姿勢を変えながら呼吸をすることがいかに大事か想像できますか?肺に360°満遍なく呼吸を入れていくためには姿勢を変える必要があります。

・横隔膜  

呼吸に必要な横隔膜は肋骨の下部分に存在します。形はドーム状でいくつか穴が空いてます。これは食道と血管が通るためです。横隔膜の仕事はとても多く、呼吸を行うこと、姿勢を保つこと、胃の入り口を塞ぐこと、血管を温めること、血液を回すことなどです。

 

 

また横隔膜との関係性でよく出てくる骨盤底筋群の説明もしておきます。骨盤底筋群は骨盤の一番下に存在し、恥骨、坐骨、尾骨にハンモック状につながっています。骨盤底筋群の役割は内臓が骨盤の下に落ちないようにすることだと言えます。

 

■呼吸の生理学的な意義  

呼吸とは体内にO2(酸素)を取り入れ、CO2(二酸化炭素)を排出することです。私たちは、口から取り入れた栄養素を燃焼し、その物質代謝によって得られるエネルギーを利用して生命活動を営んでいます。そしてエネルギー生産には酸素が必要です。赤ちゃんが生まれて産声を上げた瞬間から死ぬまで呼吸を続けます。

■肺に空気が取り込まれるには  

肺に空気が入るメカニズムは、高気圧から低気圧に風が吹き込むのと似ています。つまり、横隔膜が下がる(収縮する)ことで胸腔内が陰圧(低気圧)となり陽圧(高気圧)の大気から空気が流れ込んでくるのです。肺の模式図のようにストロー程度の穴以外はほぼ密閉された状態で下を引っ張るとガラス内は陰圧になりストローを通って空気が入ると言うわけです。このことから呼吸にはしっかりを肺の中を陰圧にしないといけないことが想像できますよね。この陰圧を作るのが横隔膜の働きなのです。

■呼吸時の肋骨の動き

呼吸によって肋骨はかなり動きます。肺や心臓を守っているため固まって動かないものと思い込んでいる人も多くいますが、呼吸や腕を動かしたり、体を捻ったりするたびに肋骨も動きます。また12対ある肋骨も高さで3分割され、それぞれ上位・中位・下位肋骨と言います。動き方も異なり、上位肋骨はポンプの柄、中位肋骨はバケツの柄、下位肋骨はピンセット様に動きます。

この肋骨の動きが柔軟であればあるほど空気が入りやすいと言えます。

■意識的な呼吸と無意識の呼吸  

呼吸は、①眠っている間も決して途絶えることのない無意識下の繰り返し運動です。ところがその一方で、②歌を歌ったり、水に潜ったりするときやピラティスでのエクササイズ時には自分の意思で呼吸を自由にコントロールすることが出来ますし、③運動時には、自然に呼吸が激しくなります。呼吸運動は、複合的な神経のメカニズムによって巧妙に調節されています。この神経が自律神経と呼ばれるものです。呼吸と排便・排尿は、意識と無意識が交わる場所です。言い換えれば、意識的に無意識をコントロールできる場所なのです。逆を言えば、おトイレに行きたいのに我慢をするなど繰り返していると無意識にストレスが溜まって行くことも想像できますよね?ピラティスにおいては呼吸を通して、体を意識的にも無意識的にも整えて行きます。なので呼吸を一生懸命にする必要はなく流れに身をまかせるイメージで行う方が体にとって気持ち良いのです。また呼吸状態を把握することによって「今」の状況を知ることができます。例えば、交感神経優位の呼吸は浅く回数が多くなります。また集中できているか、考えすぎていないか、呼吸に目が向いているかで「この」瞬間にを過ごしているかどうかわかります。 個別性 正常な成人の呼吸数は、1分間に12~16回前後(呼吸1回で約4秒)であり、乳幼児では回数が多くなるとされています。また成人女性は胸郭が広がる胸式呼吸、乳児くらいまでと高齢者は腹式呼吸が多い特徴も聞かれます。

■腹式呼吸と胸式呼吸

腹式呼吸 :筋肉の動きで胸腔が広がることで肺は膨らみますが、その最大の原動力は横隔膜の収縮です。横隔膜は「膜」ですが立派な筋肉です。この筋肉は胸腔の底面にドーム状に張っているため、収縮すると平べったくなり胸腔の底面が下がります。この横隔膜を使った呼吸を腹式呼吸といいます。自然な呼吸では、お腹は緊張せずに、吸息の時は膨らみ呼息のときはへこみます。これはお腹の筋肉の動きよりも横隔膜の動きを反映しているのです。

胸式呼吸:横隔膜以外にも呼吸に関わる筋肉があります。それは肋骨を左右に広げる作用を持つ外肋間筋です。この肋間筋を主体として行う呼吸を胸式呼吸といいます。通常は両方合わせて呼吸をおこなっていますが、肺一杯に空気を入れるとか、息を吐き切るように出したときなどは呼吸補助筋と呼ばれる胸鎖乳突筋や斜角筋群なども収縮します。

■努力呼吸と安静時呼吸

自然な呼吸すなわち安静時呼吸では、使われる筋肉がとても少ないですが、努力呼吸と呼ばれるものは文字どおり努力しないとけないので、いろいろな筋肉を使います。一時期、流行ったあの呼吸(ロング○レス)努力呼吸の一種です。個人的にはあまりお勧めしません。強く吐き出そうとするため、首やお腹などあらゆるところに力が入りすぎてしますからです。やはり自然な呼吸の方が体に優しい気がします。

■呼吸と腹圧コントロール  

呼吸によって動きの先導を果たしています。また呼吸のコントロールを行うことで体の中の空間を調整し、姿勢を保っています。体の中に一つ風船があるイメージを持ってみてください。その風船を前後左右上下の六方向から圧迫してみるとどうなりますか?すごく風船の内部の圧が高まりますよね。これと一緒で呼吸の役割は主要な筋肉と連携して、体の中の圧をコントロールします。お腹の中の風船が360°満遍なく圧がかかっていると良い姿勢が保てますが、どこか一部分抜けてしまうだけで体が傾いてしまいます。

■その他の呼吸

皮膚呼吸:カエルに見られる呼吸。カエルは皮膚でも呼吸が可能である。人も皮膚で呼吸をしているが受動的であり、生命の維持で考えるとほとんど無視して良いものとされる。

第一次呼吸:脳脊髄液の流れ、そして脳と脊髄を包んでいる硬膜の動くリズムのことを「1次呼吸」と呼びます。またその動きのことを頭蓋仙骨リズムと言います。

 

呼吸器の働きを体験する

これまでの話から呼吸器の解剖生理学の知識を実際に体を通して体験していきます。

  • 鼻呼吸と口呼吸の違い
  • 横隔膜と骨盤底筋群を連動させる
  • 4つの筋肉を意識して腹圧を高める
  • 呼吸に合わせて動きを誘導する
  • 頭蓋仙骨リズムを体験する

 

このような体験を通しながら解剖生理学を進めていきます。座学より実技や体験が多めになっていますので、わからなくても変化が感じられます。ご興味がある方は下記よりご連絡くださいませ。

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