気虚
気虚
気は、一種のエネルギーと考えられていて、身体を動かしたり元気をつけたりします。そのため、重労働や激しい運動をしたあとには、だれでも一時的に気が不足した状態になります。きちんと食べて、よく眠れば、翌日には自然に気が回復するはずですが、過労が続くと、気の回復が遅れ、慢性的に気が不足した状態となってしまいます。それを「気虚(ききょ)」といいます。気は主に、食べたり飲んだりしたものを胃腸が消化・吸収し、そこから作り出されます。そのため、胃腸がもともと弱かったり、疲れから機能が低下したりしていると気が不足しやすくなると考えられています。
中医学では、呼吸によって取り入れた自然の清気と、米などの水穀から得られる栄養分が合体して、体の気(生命エネルギー)となると考えています。体内の気は、もともと上に向かう作用があるとされ、内臓を引っ張り上げて腹腔に固定させたり、体を引っ張り姿勢を保っているのもその力と言われています。この気が弱くなると、大変疲れやすく、めまいや頭のふらつきが出たり、胃下垂や子宮下垂、脱肛のような内臓下垂、瞼が垂れる眼瞼下垂などが起こりやすいと考えられています。
気が不足している人は、先ず過労を避ける必要があります。気が体内で最も効率よく生成されるのは、夜眠っている時です。そのため、夜更かしや睡眠不足にも気を付けなければいけません。また、暴飲暴食で消化器の機能を低下させることも、気虚の原因になります。
【症状】
体のエネルギー源である「気」は、「気」「血」「津液」のリーダー的役割を持っています。「気」が足りないと、疲労感や倦怠感、冷えが出やすくなります。ほかに、風邪を引きやすい、食欲不振、胃もたれ、軟便、下痢などの症状も出やすくなります。また、花粉症などのアレルギー症状も現れやすいと言われています。
【舌の状態】
全体的に淡い色をしています。厚く、はれぼったい舌です。舌の縁に歯の跡が波打つようについていることがあります。
【気を補う食材】
牛肉、鶏肉、うなぎ、鶏卵、えび、もち米、ヤマイモ、かぼちゃ、玉ねぎ、にんにく、ねぎ、生姜、豆、納豆、きのこ、栗、りんご、ほうじ茶、紅茶、緑茶など
【避けたい・控えたい食材】
冷たいもの、生もの、脂っぽいもの、チョコレート、刺激の強い食材(唐辛子、わさびなど)