隠虚

水(栄養のある体液:陰液)を含め、体に必要な潤いを表す「」は、加齢とともに不足しやすくなります。「陰液」が不足すると、のどが渇きやすく、汗もかきやすくなります。水分補給が足りなかったり、スポーツで汗をかくき脱水状態になると、肩こりや頭痛、疲労感などを感じたことがあると思います。そのような状態が慢性化しているのが「陰虚(いんきょ)」と言われています。これは慢性的な問題(加齢・内臓の機能低下など)と急性的な問題(異常は発汗、ダイエットなど食事の問題)など多方面に関わってきます。「陰液」は身体に潤いを与えて、身体の機能をスムーズに働かせています。それが不足すると、乾燥した熱性の症状が現れてきます。やせ型で食べても太らない人、更年期が近い40歳以降に多いタイプですが、元々潤い不足の体質傾向がある人や、長期にわたる薬の服用、生活習慣などから陰虚になる場合もあります。

強いストレスを受けると、グルカゴンやアドレナリン、副腎皮質ホルモンが多量に分泌され、血糖値が上がる。そして、緊張が持続すると高血糖が続き、糖尿病を発症しやすくなるといわれています。血糖が高いと尿量が増えるため、水分が奪われて、口渇や皮膚の乾燥、のぼせ、ほてり感などの漢方でいう陰虚(体液不足)の症状がでてくるとされます。また、相対的にインシュリンの作用が不足するため、糖や脂肪・蛋白質の代謝に障害が起こり、全身倦怠感、脱力感といった気虚(元気不足)症状も出てくるとされ、これは漢方でいう気陰両虚の証に相当します。

 

出やすい症状

身体に潤いがなくなり、余計な熱が生じ、のぼせやすくなります。更年期は陰虚に傾きやすく、のぼせ、ほてり、めまい、耳鳴り、寝汗、生理不順などの更年期症状は、陰虚体質の症状と度々重なります。また、肌の乾燥、空咳、乾燥した便・硬い便・色の濃い尿、口の渇き微熱などの乾燥症状も伴う場合もあります。また、心身とも過労気味の人や、糖尿病を患っている人にも多く見られます。また、加齢も体に潤い不足になる要因の一つです。

舌の状態

全体的に赤くみえます。舌の苔は少ない、もしくは殆ど無い。舌の表面に裂紋(れつもん:裂け目)があることも。

おすすめの食材

このタイプの人は、空気が乾燥し始める秋に弱く、喉や気管の粘膜が乾燥して風邪をひきやすかったり、空咳がいつまでも残ったりすることが多いようです。夏の終わり頃から、新鮮な野菜や果物で潤いを補給するように心がけましょう。豚肉、鶏肉、鴨肉、すっぽん、ハマグリ、あわび、黒米、豆乳、豆腐、れんこん、キュウリ、トマト、百合根、ごま、白きくらげ、梨、ライチ、レモン、メロン、ミント茶、緑茶、菊花茶

避けたり、控えたい食材

香辛料、薬味野菜、冷たいもの